医療工学

ドイツはアメリカと日本に次いで世界第3位の医療機器生産国です。 2004年の世界の医学関連産業は約184億ユーロ(2019年5月時点で約2兆3200億円)の市場規模があり、そのうちドイツの市場は約140億ユーロ(2019年5月時点で約1兆7640億円)を占めました。

医学関連産業を扱うドイツ企業全体は、2002年時点で約15万人を雇用しており、米国企業についで世界で2番目に多い登録特許を保有しています。その売上高の50%は直近2年間で市場に登場した製品から得られています。

バイオメディカルエンジニアリング(BME)とも呼ばれる医療工学は、エンジニアリングのシステムとルールを医療分野に適用したもので、医療機器に関わる工具や製品の製造や製造法を含みます。「医療機器」はEU域内通達2004/47/ECにおいて、単独使用か併用かを問わず、診断用および/または特に診断に使用するための、あるいは、治療目的および適切な治療のために必要な、すべてのソフトウェア、器具、装置、設備、材料または他の物品であって、例えば、疾病の診断・予防・観察・治療・軽減、怪我や障害の診断・観察・治療・軽減・補償、解剖学的構造または生理学的変化の検出・交換・改変、医療プロセスの制御、薬理学的・免疫学的・代謝的手段による人体または身体が本来有する機能の補助手段として人に適用されるものと定義されています。

能動性埋込型医療機器はEU域内通達90/385 / ECによって、体外診断用医療機器は体外診断用医療機器(IVD)通達によって規制されています。したがって、これらは指令2007/47 / ECに定義されている「医療機器」ではありません。しかしドイツとオーストリアではこれらは医療機器に関する法律によって規制されています。

医療工学の具体的な技術としては、医用情報工学、生理学的信号の信号処理、バイオメカニクス、バイオマテリアル、システム解析、3Dモデルの作成、イメージング技術、細胞組織工学、臨床工学、あらゆる種類の補綴物の製造、歯科用インプラント、治療用および診断用機器としての人工内耳、人工ペースメーカー、輸液ポンプ、心肺バイパス、透析装置、人工臓器および視覚補助器具などが挙げられます。